
人の体と心を支える義肢装具士の仕事
人生を歩む中で、不慮の事故や病気によって手足を失ったり、身体が思い通りに動かなくなったりすることがあります。これは、日常生活に大きな不便を強いるだけでなく、心の痛みも伴うつらい経験です。しかし、そんな困難に立ち向かう人々を支え、再び歩いたり、物を掴んだり、当たり前の生活を取り戻せるようにサポートする、大切な役割を担う人たちがいます。それが義肢装具士です。
義肢装具士は、身体に障害を持つ一人ひとりの状態や希望に合わせて、義肢や装具を製作します。義肢とは、失われた手足の代わりとなるもので、よく知られているのは義手や義足です。最近では、まるで本物の手足のように精巧に動くものも開発されています。一方、装具は、麻痺や変形などによって弱くなった身体機能を支え、再び動けるように訓練するための道具です。例えば、捻挫などをした際に使用する足首を固定するサポーターや、姿勢を矯正する背骨に装着するコルセットなどが、装具に当たります。
このように、義肢装具士は、身体に障害を持つ人々が再び社会参加し、自分らしい人生を送るための大きな力となっています。